競艇のツケマイってなに?技の原理や得意な選手などについて解説!

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競艇では、レースの行方を左右する技のことを「決まり手」といいますが、この「決まり手」の中でも最も難しいとされる技が「ツケマイ」です。高い操艇技術とタイミングの良さが求められる難しい技ですが、その分、うまく決まれば一気にトップに躍り出ることもある豪快な技でもあります。今回は、競艇の決まり手のひとつ「ツケマイ」について解説するとともに、得意な選手や「ツケマイ」が見事に決まったレースなどについて紹介していきます。

「ツケマイ」ってどんな技?

競艇における6つの「決まり手」と「ツケマイ」

競艇では、レースの行方を左右する技のことを「決まり手」といいます。この「決まり手」には「逃げ」「差し」「まくり」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」の6つの種類があります。「ツケマイ」はこの6つの決まり手のうち「まくり」の一種として分類されています。

それでは、「ツケマイ」とはどのような技かというと、まず「ツケマイ」の「ツケ」とは、先行するボートのギリギリ近くまでボートを「つけ」ることを意味します。「マイ」とは、競艇の世界では「回る」ことを意味します。そして「ツケマイ」とは、「先行して旋回している内側のボートのすぐ外側をなぞるようにして旋回する」ということになります。これにより、内側のボートを押さえ込むようにしながら自分が抜け出すことができます。

「ツケマイ」の原理

「ツケマイ」はどのような原理でおこなわれているのでしょうか?そもそも競艇のボートはモーターによって動いており、プロペラの回転による推進力で前進します。この際、ボートの後ろには「引き波」という波が発生しています。「ツケマイ」を行うと、内側を走るボートのすぐ外側をなぞるように進むので、内側のボートの推進力は外側を走っていた「引き波」によって推進力を奪われてしまい、スピードが落ちるという原理になっているのです。

「ツケマイ」と「まくり」の違い

先ほど、「ツケマイ」は「まくり」の一種という話をしました。そもそも「まくり」とは、内側のボートが旋回している外側から全速力でターンしていき追い抜いていく技です。その中でも「ツケマイ」は、ターンの際にボートを先行する内側のボートに近づけることで、引き波で相手を押さえ込む、という技術が加わります。

お互いのボートがスピードを出している中であえて先行するボートに近づいていくのには、それなりの操艇技術が必要になります。そういった意味で、「ツケマイ」は非常に難易度が高いとされているのです。

「ツケマイ」が得意とされる選手たち

毒島誠選手

毒島誠選手は1984年1月17日生まれ、群馬県出身のボートレーサーです。92期生で登録番号は4238。2003年の5月にデビューしています。毒島選手といえば、代名詞ともなっている超人離れしたピット離れによるインコースと、そして全国でもナンバーワンクラスと位置付けられるターンスピードによる強烈な「ツケマイ」が持ち味となっています。「第59回モーターボート記念」「第20回チャレンジカップ」「第23回オーシャンカップ」「第64回ボートレースメモリアル」と4度のSGレース制覇歴を有しており、競艇界を代表するボートレーサーの一人です。

山崎智也選手

山崎智也選手は1974年3月11日生まれ、群馬県出身のボートレーサーです。71期生で登録番号は3622。1992年の11月にデビューしています。山崎選手は身長165cm、体重50kgと、どちらかというと小柄な選手ですが、「ツケマイ」はもちろん巧みなボートさばきを得意とする選手であり、常にSG競走で安定した成績を残しています。2015年には賞金ランキング1位を獲得。競艇界でも指折りの名レーサーといえるでしょう。

興津藍選手

興津藍選手は1981年3月23日生まれ、兵庫県出身のボートレーサーです。85期生で登録番号は4052。身長166cm、体重53kgと、山崎選手と同様に小柄な選手です。2010年12月の「第54回四国地区選手権競走」および2014年2月の「第57回四国地区選手権競走」と、G1レースを2度制した実績を持っていますが、SGレースの優勝経験はありません。しかし、2019年7月には「オーシャンカップ」にて初のSGレース優勝決定戦に進出するなど、これからの伸びが期待される選手です。

「ツケマイ」が見事に決まったレースをご紹介

2017年2月「関東地区選手権」@桐生競艇場


1周目の第2ターンマーク、2番手2号艇(黒)の毒島誠選手が、わずかに先行する1番手3号艇(赤)の谷津幸宏選手に密着しながらターンを周り、ストレートに入るタイミングで爆発的な引き波を起こして谷津選手の勢いを完全に止めてしまいます。

2014年9月「2014東京・大阪・福岡3都市対抗戦」@住之江競艇場


2周目の第1ターンマーク、2番手3号艇(赤)の後藤翔之選手が、1番手4号艇(青)の國崎良春選手を外側から一気にツケマイを仕掛け、引き波を食らわせて見事にトップに躍り出ます。

2014年9月「赤城雷神杯」@桐生競艇場


2周目の第1ターンマーク、2番手1号艇(白)の秋山直之選手が、1番手2号艇(黒)の黒崎竜也選手相手に絶妙なタイミングでターンを仕掛け、引き波に沈みこませます。

「ツケマイ」以外の決まり手についても解説!

競艇には決まり手と呼ばれるものが6種あるとご紹介しましたが、先ほどご紹介した「まくり」以外の決まり手がどのような技なのかを解説していきましょう。「まくり」以外の技は「逃げ」「差し」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」の5つです。競艇の選手にはそれぞれ得意不得意があり、それらを理解することで、競艇予想の参考にもなります。

競艇で最も多い決まり手「逃げ」

「逃げ」とは、1コースにいる艇が1周目の第1ターンマークを一番先に回り、そのままゴールまで他のボートに抜かれずに1着になる決まり手のことを言います。そのため「逃げ」は別名として「イン逃げ」と呼ばれたりもすることもあります。競艇においては一番出やすい決まり手であり、全レースの半分くらいは「逃げ」で勝負がつきます。

モーターパワーが肝を握る「差し」

「差し」は、2~6コースにいるボートが1周目の第1ターンマークを小さく旋回することで、先に旋回した艇の内側を抜いて1着になるという決まり手です。この決まり手は先ほど紹介した「引き波」が関係しており、先に旋回したボートが起こした「引き波」を越えなければならないので、船のモーターパワーがかなり重要になってきます。「引き波」にのまれないように、スピードを出して進むことが重要です。

「まくり」と「差し」の連続技「まくり差し」

「まくり差し」とは、2~6コースのボートが1周目の第1ターンマークで外側から何艇か抜いた後に、先に旋回したボートの内側を抜いて、1着になる決まり手のことをいいます。「まくり差し」といった名前のとおり、「まくり」がおこなわれた後で「差す」という連続技となっています。「まくり差し」を決めるには、「スタート勘」や「旋回技術」、そして「判断力」のすべてが必要不可欠で、どれかがひとつでも欠けていたら決めることのできない技です。決まり手の中でもかなりの高難易度の技であり、レースを観戦していてもなかなかお目にかかれないレアな技となってきます。

直線で一気に抜き去る「抜き」

「抜き」とは、2つのターンマークの間の直線で、スピードに乗り先行ボートを抜き去る決まり手のことをいいます。競艇の場合、すべてのボートに同じ種類のモーターが使われていますが、ここのモーターには微妙に性能差があります。さらに、モーター及びプロペラの調整あるいはチルト角度(モーターのとりつけ角度)の設定により、ボートの加速の仕方が大きく変わってきます。ボートの調整次第では、ターンマークで遅れをとっても、直線で追いつき抜き返せる可能性が出てくる、ということです。

運も立派な戦略!?「恵まれ」

「恵まれ」は1着を走っている艇がフライングや転覆などでレースから離脱し、繰り上がりで1着になったときの決まり手のことを言います。特に競艇では、ボートのスタートが正常だったかどうかというのは、1周目の第2ターンマーク辺りで判定されることになっており、その判定の結果としてフライングの判定を受けた艇はレースから離脱することになります。つまり、ボートレーサーからしたら、例え第1ターンマークで先行を許してしまっても、もしかしたら天の恵みで自分が1着になる可能性が残っているのです。そういったことから「恵まれ」と呼ばれるようになったのかもしれません。ちなみに、すべての決まり手の中で「恵まれ」が起きる割合は1パーセントちょっとです。

まとめ

今回は「ツケマイ」に焦点を当てて、数年前まで「ツケマイ」も種類として含まれていた、6つの「決まり手」についてもご紹介しました。「決まり手」はしっかりとその技の内容を理解することで、今後の分析や予想にも役立つこと間違いなしです!技名を理解したうえで改めてレースを見てみると、一層面白いものになりますよ。今回紹介した、「決まり手」以外にもさまざまな技があるのでそちらの方も是非調べてみて下さいね。

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