競艇選手になるためには?養成所の入学試験と卒業試験まで解説します!

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現在、競艇選手として活躍している選手は、全員決められた試験をパスしてから選手としてデビューしています。そこに近道はなく、どの選手もボートレーサー養成所で1年間の厳しい訓練をこなし、卒業試験を突破しなければなりません。競艇選手がどのような訓練を受けてきたのか気になる人や、競艇選手を目指している人に向けて、今回は養成所の入学試験から卒業までの流れをわかりやすく解説していきます。

ボートレーサー養成所の厳しい応募資格と高い倍率

競艇選手になるには、まずは競艇選手を育て上げる「ボートレーサー養成所」に入所することが第一関門となっています。まずは、ボートレーサー養成所の概要や募集要項・応募資格、受験者数・合格倍率について解説していきましょう。

ボートレーサー養成所の概要

競艇選手の養成は、もともと各地にある競艇会の養成所でそれぞれ行っていたため、地元色がかなり強いものでした。そんな中1966年に山梨県の本栖湖を訓練所とする「本栖研修所」が設置され、競艇養成機関が一本化されます。2001年3月には福岡県柳川市に移転し「やまと競艇学校」となり、さらにその後2017年からは名称を「ボートレーサー養成所」とに改称するとともに、養成訓練費用が無償化されました。

ちなみに、漫画「モンキーターン」が発行されていたときはまだ「本栖研修所」のときであり、モンキーターンは今は無き本栖研修所の様子を見られる貴重な資料の役割も果たしているといえます。

ボートレーサー養成所の募集要項と応募資格

一般の高校や大学などと同じように、ボートレーサー養成所にも「募集要項」があります。募集人数は50名ほど、応募資格は年齢・学歴・身長・体重・視力・弁色力・聴力その他の健康状態・その他と細かく規定が設けられています。この中でも特に、年齢・身長・体重・視力に関しては以下のとおり具体的な数字が明記されています。

年齢:15歳以上30歳未満
身長:175㎝以下
体重:男子47㎏以上57㎏以下、女子42㎏以上50㎏以下
視力:両眼とも裸眼で0.8以上(コンタクト・フェイキックIOL「有水晶体内レンズ」手術は不可)

ボートレーサー養成所の受験をするためには、これらの数字をクリアしておかなければなりません。受験する段階ですでに選別が始まっていると言っても過言ではないでしょう。

受験者数と合格倍率

ボートレーサー養成所の入学試験は4月と10月の年2回行われています。応募者数と倍率はこちらのとおり。

応募者数:約1200~1700名
1次試験突破者数:約170~200名(倍率:約6倍~10倍)
2次試験突破者数:約70~100名(倍率:約2.5倍)
3次試験突破者数:約35~50名(倍率:約2倍)

募集人数50名に対してこれだけの応募者数があり、応募者数から合格者数までの通算倍率は約25倍から50倍と厳しい数字となっているようです。募集要項の条件を満たしたとしても、そこから更に50倍にも登る倍率を突破しなければなりません。競艇選手までの道のりがどれだけ厳しく狭い門であるかが分かります。

ボートレーサー養成所の試験内容

ここからは、ボートレーサー養成所の入学試験内容について見ていきましょう。実は競艇選手になるための試験は体力などの試験だけでなく、学科試験も課せられているのです。まさに文武両道を求められる試験といえます。

1次試験の内容

1次試験は毎年5月と11月に、1日をかけて行われます。試験内容は、大きく学科と実技(体力)試験です。学科試験は

国語:10問
数学:10問
理科:10問
社会:10問

の4教科全40問で、高校入試程度の難易度となっています。マークシート方式で制限時間は60分あります。受験場所は、自身の受験地区にある試験会場で行います。体力測定では

上体そらし
立位体前屈
握力
背筋力
垂直飛び

を行います。学校で行われるスポーツテスト同様の試験ということで、イメージしやすいかと思います。

テストを受ける流れは、まず試験会場にて受験票をもらい、その後学科試験を受験します。学科が終わり次第受験番号順に体力測定になります。全員が終了すると、次の2次試験の説明を受け各自解散という流れとなっています。合格発表は5月下旬もしくは11月下旬です。

2次試験の内容

1次試験合格者は晴れて6月もしくは12月に行われる2次試験に参加できます。2次試験の受験期間は3日間。1次試験に引き続き体力試験がある一方で、学科試験の代わりに適性試験を行います。体力試験はより厳しくなり

持久走1500m:水面の周りを1周
開脚体前屈:学校などで行われるスポーツテストと同様
乗艇姿勢:ボートに乗る姿勢を作って、前後に体を倒す
関節柔軟:7種類の柔軟試験
上体起こし:足にカウント器具をつける
腕立て伏せ:床にカウント器具を置く
50m走:コンクリート場をダッシュ
反復横跳び:学校などで行われるスポーツテストと同様(カウント器具あり)

といった試験が課せられます。適性検査は、

操縦:水面の3つのブイをターン
全身反応力:器具が光ったらジャンプ
教練:指示通り決められた姿勢をとる
処置判断:器具を使用して、注意力、持続性を測定
手腕作業:器具を使用して、手先の器用さ、作業の正確さを測定
運動調整能力:器具を使用して、目標物の位置にハンドルで調整できるかを測定
速度見越し:器具を使用して、物体と同じ正確な速度で眼を動かせるか測定
横の動体視力(DVA):器具を使用して、眼の左右方向の素早い動きで目標を捕える能力を測定
縦の動体視力(KVA):器具を使用して、眼に迫ってくる目標を捕える能力を測定
目と手の供応動作:器具を使用して、眼の遠近感、立体視力を測定
心理判断:筆記試験によって、IQ、作業テスト(労研試験)、心理的競技能力の測定

を行います。その他に、

作文:出題テーマに沿った作文を60分以内でA4用紙1枚に書く

というものもあります。

2次試験は、1次試験合格者のみボートレーサー養成所にて泊りで行います。長い試験スケジュールとなっていますから、遠方からの受験者などは前日に近郊のホテルに泊まることを推奨されています。

3次試験の内容

2次試験がすべて終了した翌日早朝に合否が発表され、そのまま面接試験と身体検査による3次試験に移行します。流れとしては、まず面接試験を行い、その翌日に「聖マリア病院」へ移動し身体検査を受けます。

面接試験は、

人物試験(面接):受験生1人対面接官2~4人の個人面接

2~4人の個人面接というのは、一度に2~4人と面接するのではなく、2~4人の試験官と代わり代わりマンツーマンで面接するということです。何回も面接が行われるので、自己分析や自分が話したことに矛盾がないかどうかを確認することが大切となります。身体検査は

身長・体重・視力・血圧・血液検査・胸部レントゲン・直腸検査・睾丸検査・深視力・聴力検査・視野の広さ・関節柔軟・バランステスト・書字・色覚

の以上15項目を検査します。

2・3次試験の大まかな流れ

1日目(2次試験)

2日目(2次試験)

3日目(2次試験)

4日目(2次試験⇒3次試験)

5日目(3次試験)

最後の関門となる3次試験の結果は、だいたい試験終了後1か月を目安に受験者あてに通知されるようです。

特に2・3次試験は、スケジュールがタイトであり体力的にきつくなってきます。しっかりと試験の合間で休養と睡眠をとり、できるだけ万全の状態で臨むことが必要です。

ボートレーサー養成所での試験

競艇選手になるためには、上記の基準をクリアしたうえ「ボートレーサー養成所」に合格して、1年間の授業と訓練を受ける必要があります。卒業できれば晴れて競艇選手としてデビューとなりますが、訓練の厳しさから途中で断念して退所してしまう人もいます。また、進級基準や卒業基準を満たさなければ卒業することができず、試験結果によっては退学となってしまいます。ここからは、ボートレーサー養成所での試験について解説していきます。

進級試験

進級試験は、偶数期なら8月、奇数期なら2月に行われます。以下の場合は退学となってしまいます。

1:進級試験において、全7科目中60%未満の科目が3科目以上ある場合
2:総合成績において、学科・操縦・整備科目のいずれかが60%未満の場合

卒業試験

卒業試験は、偶数期なら2月、奇数期なら8月に行われます。以下の場合は退学となってしまいます。

1:卒業試験において、全5科目中60%未満の科目が3科目以上ある場合
2:総合成績において、学科・操縦・整備科目のいずれかが60%未満の場合

※総合成績:直近2回の班別試験と進級試験とをある割合で合算した成績のこと

班別試験

班別試験は課業の進歩状況を把握するために実施される試験のことです。半年間で全4回が予定されており、学校の中間テストをイメージすると理解しやすいでしょう。偶数期は5・7・10・1月、奇数期は11・12・4・7月に行われます。こちらも、以下の成績の場合は退学となってしまいます。

1:第1回及び第2回の班別試験の得点率が20%に満たない場合
2:第3回及び第4回の班別試験の得点率が20%に満たない場合

リーグ戦

リーグ戦とは、同期の訓練生同士が学校内で実際にレースをするものです。入所後8ヶ月後くらいから実施されます。その結果、以下の場合に退学となります。

1:リーグ戦において勝率が著しく低い場合、または事故率が著しく高い場合

これらが主な試験になります。それぞれで合格基準が違うため、しっかりと確認しておきましょう。

まとめ

今回は、競艇選手になるための試験、養成所内での試験についてご紹介しました。競艇選手になるためには、今回ご紹介したようにいくつもの試験をクリアしなければなりません。

このような厳しいハードルが課せられているのは、水上を爆走していく競艇ならではのリスクがあるからです。競艇選手の安全を最大限考慮して事故を防ぐには、競艇選手としてみっちりとトレーニングを積み重ね、しっかりとしたスキルを身につけさせる必要があるのです。

競艇選手になりたいと考えている方がいたら、以上のことをしっかりと理解したうえで挑戦しましょう。

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