競艇は実は韓国でも開催されている!知られざる韓国競艇の世界

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日本独自の競技として誕生・発展してきた競艇ですが、実は海外でも1か国だけ、日本とほぼ同じフォーマットの競艇を開催している国があります。それは、お隣韓国です。2002年6月からその歴史が始まったばかりの韓国競艇。今回は、韓国競艇の知られざる世界に触れてみましょう。

日本の競艇が世界進出!?韓国競艇の概要を知ろう

韓国での競艇は日本とほぼ同じフォーマットで行われていますが、それには韓国に競艇が持ち込まれた経緯が関係しています。まずは誕生の経緯などの韓国競艇に関する基礎知識について触れていきましょう。

韓国競艇の基礎知識

韓国で行われている競艇は、基本的には日本で行われている競艇とほぼ同じフォーマットとなっています。6つのボートがレースに参加すること、反時計回りの3周でレースを行うこと、そして女子ボートレーサーも男子に混じって参戦すること。さらにはボートレーサーのランクがA1、A2、B1、B2の4クラスに分けられるという点も日本の競艇と同じです。

韓国唯一の競艇場「渼沙里漕艇競技場」

韓国・京畿道河南市にある「渼沙里漕艇競技場(ミサリそうていきょうていじょう)」は、韓国の有名な河川である「漢江」の河川敷に作られた競艇場です。ちょうど日本でいう住之江競艇場や尼崎競艇場と同じ人工プールの競艇場となっています。水質は淡水であり、基本的には流れがなく波もおだやかな競艇場だといえるでしょう。2019年現在、韓国にある競艇場はこの渼沙里漕艇競技場ただ1か所のみです。

渼沙里漕艇競技場は元々、1988年に開催されたソウルオリンピックの「カヌー競技」「ボート競技」の大会会場として作られた競技場でした。ソウルオリンピックの開催後、1991年に韓国で競輪競艇法が成立。渼沙里漕艇競技場にて競艇を開催することとなり、日本仕様の競艇場へと改修が行われ、2002年6月、韓国初の競艇レース開催に至ったのです。

韓国競艇誕生の歴史

ここで、韓国競艇誕生の歴史について触れましょう。韓国の競艇は日本人ボートレーサーであった栗原孝一郎の尽力により誕生したといっても過言ではありません。先述のとおり1991年12月に競輪競艇法を成立させた韓国は、競艇の開催にあたって日本に協力を求めました。しかし、日本の競艇界は韓国の申し出に対して消極的な態度。結局、当時すでに現役を引退していた栗原孝一郎氏ただ一人が、ボートレーサー養成のために韓国に渡ることになったのです。

日本の競艇界からの反発こそあったものの、見事に韓国競艇にとって第1期生となるボートレーサー達を誕生させた栗原孝一郎氏。以来、韓国競艇では栗原孝一郎氏を記念するレース「栗原杯」が10月に開催されており、三大レースの一つとして競艇ファンに親しまれています。

韓国競艇と日本の競艇の違い

日本の競艇をモデルに作られ運営されている韓国競艇ですが、日本の競艇とは異なる部分もいくつかあります。例えばフライングスタートのタイミングが1秒間ではなく2秒間とられています。また、フライングスタートではなくオンラインスタート(ピットから直接するスタート)という日本にはない形式のレースが行われることもあったりします。

また、儒教の国である韓国では、パチンコが禁止となっているなどギャンブルに対する規制が日本よりも厳しいことでも知られています。競艇でもそれは同じであり、なんと日本には無い舟券の購入制限があります。韓国の競艇では1回のレースに賭けられる金額は10万ウォン(およそ9,000円)まで。後述するとおり韓国の競艇は1日16レース開催ですが、全レース賭けてもおよそ15万円しか賭けられない計算になります。

競艇好きとして知られる坂上忍さんは年末のレースに1億円賭けると豪語したことが話題となったこともありますが、このような豪快な遊び方は韓国の競艇ではできません。

韓国競艇のレース日程と主なレース

韓国にはたった1つしか競艇場がないために、日本のようにほぼ毎日どこかで行われる競艇を楽しめる、というわけにはいきません。その代わり、1日に開催されるレースの数が多いという特徴もあります。韓国競艇のレース日程と主なレースについて解説していきましょう。

韓国競艇のレース日程

日本において競艇はほぼ1年中、毎日のように開催されています。一方で韓国競艇のレース日程は2月後半から12月まで。渼沙里漕艇競技場1つしかないためか、毎週水曜日と木曜日のみの開催となっています。

1日に開催されるレースの本数は、日本が通常12レースであるのに対して、韓国では基本的に16本のレースが開催されています。レース間のスパンもとても短く、12時に第1レースが始まったと思ったら、17時57分には最終16レースが行われます。日本はおよそ5時間で12レース行われるのが一般的であるのと比べると、1レースあたりのスパンの短さがよく分かるでしょう。

韓国競艇の主なレース

韓国競艇のレースは主に「一般レース」「対象レース」「特別レース」の3つに分かれています。対象レースとは、ランキングなどにより選抜されたボートレーサーが対象となったレースのこと。ですから、「対象レース」と「特別レース」の2種類が韓国競艇の目玉レースと言えるでしょう。

2019年度の対象レース、特別レースの開催日程はこちらのとおり。

・3月20日・21日:特別R「第1次グランプリポイント争奪戦」

・4月17日・18日:対象R「第13回スポーツワールド杯」

・5月8日・9日:特別R「第2次グランプリポイント争奪戦」

・5月22日・23日:特別R「第17回女王戦」

・6月5日・6日:特別R「第3次グランプリポイント争奪戦」

・7月17日・18日:特別R「第4次グランプリポイント争奪戦」

・8月14日・15日:対象R「国民体育振興公団理事長杯」

・9月25日・26日:対象R「第13回スポーツ京郷杯」

・10月23日・24日:特別R「栗原杯」

・11月6日・7日:特別R「第5次グランプリポイント争奪戦」

・12月18日・19日:対象R「文化体育観光部長官杯グランプリ」

これらのうち、「国民体育振興公団理事長杯」「文化体育観光部長官杯グランプリ」、そして先述のとおり「栗原杯」の3つが、韓国競艇三大レースとして特に格式高いレースと位置づけられています。

韓国競艇と日本の競艇の違いをデータから比べてみよう

続いて、韓国競艇と日本の競艇との違いを、「人数」「賞金額」のデータから比べてみましょう。

ボートレーサーの人数

まずは、ボートレーサーの人数について比べてみました。2019年現在、韓国の競艇場で活躍しているボートレーサーの数は154名。それに対して、日本のボートレーサーの人数はおよそ1,600名。実に10倍もの差があります。

賞金額の違い

続いて、選手がレースに勝利することで勝ち取る賞金額の違いについて。1つのレースで勝ち取ることができる賞金額の最高値を比べてみました。

 

・日本:1億円(ボートレースグランプリ)

・韓国:およそ270万円(3,000万ウォン 文化体育観光部長官杯グランプリ)

 

年末に行われる「グランプリ」が最高賞金額のレースであるという点は同じですが、賞金額には大きな開きがあります。日本ではレディースオールスターやモーターボート大賞などといった、上から3番目のランクに位置するG2のレースでも賞金額は400万円となっていますから、全体的に見ても賞金額の差は歴然といえます。

続いて、年間賞金王が1年間に稼ぐ賞金額について、2018年のデータを比べてみましょう。

 

・日本:2億2,924万円(峰竜太選手)

・韓国:およそ1,300万円(1億4164万ウォン シムサンチョル選手)

 

日本の峰選手の賞金額が韓国のシム選手のおよそ15倍と、こちらも大きな差が出ました。24か所の競艇場でほぼ毎日レースが開催されている日本と、1日16レース開催とはいえ1つの競艇場でしかレースが開催されない韓国とでは、競艇の事業規模そのものが大きく異なるために、ボートレーサーの人数と賞金額にここまで大きな差が表れると考えられるでしょう。

ちなみに、2018年の韓国競艇の賞金王であるシム選手は、2016年と2017年にも賞金王と最多勝に輝いており、まさに日本でいう峰選手のようなトップスターとして韓国の競艇ファンに親しまれています。

百聞は一見にしかず!韓国競艇のレースを見てみよう

日本の公営ギャンブルは外国人でも楽しめますから、例えば競艇の公式サイト「BOAT RACE」でも英語表記、中国語表記、韓国語表記で閲覧することができる一方で、韓国の競艇公式サイト「KBOAT」では韓国語表記しか見られません。このように日本からでは韓国の競艇の情報を得るのは中々難しいのですが、実はYoutubeなどの動画サイトで探すと、韓国の競艇を動画で見ることができます。

こちらは、2018年末に行われた韓国最大の競艇の祭典「文化体育観光部長官杯グランプリ」の様子です。

目の肥えた競艇ファンの目から見れば、ターンマークでのターン技術がまだまだ甘いなど、言いたいことは色々あるかもしれません。ですが、そもそも日本と比べて競艇の歴史が浅いことや事業規模が大きくないことなどを考えれば、韓国の競艇はまだまだこれから発展していく伸び代があると見ることもできるでしょう。

まとめ

今回は、日本とほぼ同じフォーマットで開催されている韓国競艇についてご紹介してきました。正直にいうと、歴史が長く競技としてのレベルが高い日本の競艇に慣れてしまったファンが、あえて韓国の競艇に興味を持つことはないかもしれません。

ですが、ボートレーサーたちは命をかけてボートレースに取り組んでいるという点は、日本の競艇とまったく同じ。たまには、遠く海の向こうで同じように「競艇」に熱中している人々について興味を持ってみるのも面白いかも知れません。もし韓国に遊びに行く際には、ぜひ「渼沙里漕艇競技場」も旅行プランの一つに組み入れてみてください。

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